「イケボで生まれたかった」
そう思っている人は多いんじゃないでしょうか。僕もそうです。(笑)
20年以上の役者経験と、ボイストレーナー講師を経験して感じたことは、持った声質は変えられないけど、訓練と意識しだいで自分の声をイケボに近づけることは充分に可能ということです。
超簡単に説明すると、声というものは
- 呼吸
- 姿勢
- メンタル
この3つ次第で変えられます。
アニメの主人公のような声は”声質”によるものです。声質を変えることはできませんが、訓練をすることで、いい声にすることは出来ます。
そもそも『いい声』とは何か
世間で俗に言われるイケボとは、アニメの主人公のような声だったり、深みのあるダンディな声のことを指すと思います。
女性の場合だとアニメヒロインのような声が「カワボ」と言われてますね。
繰り返しになりますが、アニメのようなイケボは生まれつきのギフトですが、いい声は誰でも出せます。
声に深みと響きさえ持たせれば、誰だって「あなた、いい声だね」と言われるようになるのです。
私は生まれてから一度も「イケボだね~!」と褒められたことはありません。
昔はイケボという言葉自体が無かったというのもありますが、「声が良いから声優を目指しなよ」といった言葉をかけてもらったことはないんです。
そんな私でも、売れないながらも声優デビューは出来て、その後ボイストレーナーとして仕事させていただいてますし、生徒さんからは「いいお声ですね」と言ってもらえます。(イケボとはまだ言われません(笑))
訓練により、良い声の出し方が身についてきたからだと思います。
深い呼吸で良い声に

「声の深み」って言われても、何のことか分からないと思います。
では単純に「呼吸が深い」と捉えればいいでしょう。
腹式呼吸を心がけることで、胸やノドの力みがなくなります。つまり声帯周りが緩むために声が響きやすくなり、深みと柔らかさが増すというわけです。
少し雑な説明ですが「とにかくゆっくりと息を吐くようにして喋れば、概ねいい声になる」と考えていいでしょう。
あまりに呼吸がやわらかいと弱々しいだけの声になってしまうので、そこは注意してください。
姿勢で良い声に

姿勢を良くすることも、声をイケボに近づけるのに有効な手段です。
これも腹式呼吸に近い理由なのですが、良い姿勢をとると首周りの筋肉が緩み、腹筋が締まります。
さらに良い姿勢は、次に述べるメンタル面に影響を与えるのです。
まず、背中が丸まっている人は、顔を正面に向けるために首の後ろ側に力が入っています。
そして胸郭が閉じてしまって声帯が圧迫されているので、響きにくい声になりがちです。
鏡を見ながら、以下のように姿勢を改善してみてください。
- 背筋を伸ばす
- 肩甲骨を締める
- 下っ腹を締める
よくわからなければ単純に「カッコよく立つ」という意識を持つだけで背筋が伸びます。
その姿勢をできるだけキープしながら力を抜いていくと、下腹部あたりと腰のあたりにだけ力みが残ると思います。その部分のみで姿勢を保てるようにするのです。
『真っすぐ立っているけど、リラックスしている』という、とてもカッコいい立ち姿になりましょう。その状態で出す声は、普段の自分よりもイケボに近づいているはずです。
メンタルで良い声に
「イケボなんてのはね、気持ち次第ですよ」
これは知り合いの声優が言った言葉です。
声は心の形がそのまま音になったものと言ったりします。
良い声でしゃべるとカッコ良くなるように、カッコつけると良い声になるのです。
ただ、ふざけてたり照れがあったりすると、それが人に伝わってしまいますので、心から自分のことをカッコいい・イケてる存在だと思うことが大事です。
自己暗示をかけたり、お芝居と同様にしっかりと心情を作りこむことで、声にイケボ要素が含まれるようになっていきます。

声帯の形を変えることは難しいですが、心の在り方は変えられます。「その気になる」ことがとても大事なんです。
カッコいい声を出そうと気取ると、痛々しい声になりますが、カッコいい人物になりきってしまえば、自動的にカッコいい声になるのです。不思議なことに。
声は訓練次第で変えられる
全体的にざっとした説明になりましたが、以上が声をイケボに近づける方法です。
きちんと身に着けるためには専門的な訓練を地道に続ける必要がありますし、声の出し方は個人個人でバラバラなので一概にこうすればいい、というものでもありません。
この記事では万人に共通しそうなことのみを挙げてみました。
例え生まれ持った声質がイケボじゃなくても、訓練と意識で声は改善できます。
- 腹式呼吸でイケてる呼吸になる
- 姿勢を直してイケてる姿になる
- メンタルを変えてイケてる心になる
という具合に、声という表面的なものだけを追求しないことが、イケボを出すコツと言えるかもしれません。

