オーディションに応募する際にボイスサンプルは必須です。
募集側が台本を用意してセリフを指定してパターンが多いですが、あらかじめ自分で用意しておいたボイスサンプルを送付するパターンも同様にあります。
あなたはボイスサンプルを作るとき、セリフやナレーションをどういう順番にして収録するか意識していますか?

色々できるってことをアピールしたい!
色んなキャラのセリフを聞いてほしい!
とにかくたくさん詰め込もう!
というふうに、やりたいことを詰め込んでしまう人も結構いますが、残念ながらそれでは評価は得られません。
最もアピールしたいものを効果的に印象付けたいですし、そのうえでそれ以外にも色々できることも分かってもらいたいですよね。
今回はそんなボイスサンプルづくりの、基本的なコツをお伝えします。
鉄則!「短く」「シンプルに」

ボイスサンプルでのセリフの長さは、1つあたり15秒から30秒程度です。
これを短いと思いますか?
でも、そんな短いサンプルですら、最後まで聞いてもらえることはほとんどないんです。
生徒の方に、ボイスサンプルのテキストを自分で考えてきてみてと言うと、大体の人が1~2分のセリフやナレーションを3本ほど、合計5~6分になるような分量を持ってきます。
自分ではかなり削ったつもりでも自分のいろんな面を見てほしいという思いがあるせいで削り切れてなかったり、実際に読んでみても自分ではそれほど長く感じなかったり、というのが原因です。
ただ、それは話す側の感情でしかないんです。
聞き手である審査側は、何百何千とあるサンプルを聞かなければなりません。オーディションの規模が大きい程、一つ一つじっくり聞いていられないのです。
ボイスサンプルにある1分のナレーションを、最後まで聞いてもらえることはほとんどありません。大体最初の15秒程度、下手したら数秒で次のトラックに進められます。
だからこそ、一つ一つを短くシンプルにすることで、「次のセリフも聴いてみよう」と思わせないといけないのです。
せっかく苦労して作ったサンプルなのに、はじめの数秒しか聴かれないのはもったいないですよね。
「1行目」が命
一つのセリフを最後まで聴いてもらうコツは、つかみです。
最初の言葉で印象づけたり、話の続きが気になるような仕掛けを持たせる必要があるんです。
例えば
やっと会えたな…… ここまで、とても長かった。 しかし、もうここで終わりだ。 師匠の……仇!貴様だけは!決して許さない! 受けてみろ!私の怒りをーーー!
というセリフがあったとします。
これは1行目から最後に向けて、段々とテンションが上がっていく構成です。
これでも問題ないのですが、テンションがジワジワと上がっていく箇所のテンポが悪く、途中で切られてしまう可能性が高いです。
あくまで一例ですが、こんなふうにしてみてはいかがでしょう。
そこの貴様! やはり、貴様は、師匠の仇……! 貴様だけは、決して許さない!! 私の怒りを受けるがいい!! ……この旅も、ここで、終わりだ。
最初に強めのセリフを持ってきたことでインパクトを持たせました。更に「『貴様!』と呼ばれた相手は何なのかな?」と聞き手が気になる構成です。テンションにも波を持たせられています。
だから、最初に決めのセリフ、決めの感情を入れましょう。
決めのセリフといっても、大きな声で強いセリフを言うことではなく、強い感情を持たせるということです。
一番の自信作は一番最初に
これは今や当たり前のセオリーですが、セリフを複数収録する場合は、自信のあるセリフやキャラは一番最初のトラックに入れるようにしましょう。
「最初のものさえ聴いてくれれば、後のセリフはおまけ扱いしていただいても構いません!」くらいの気持ちで、最初のセリフのひとこと目に全てをかけて作ってみてください。
もちろん、他のセリフやナレーションも気合を入れて作りましょう。(笑)
2つ目の音声、3つ目の音声、と進むにつれ、聴いてもらえる確率は下がっていきます。ですが、どれを聴かれても良いように、全てに全力を尽くして作ってください。
まとめ
駆け出しの皆さんがボイスサンプルを作るときに意識するべきなのは、自分のこだわりよりも「いかに聞いてもらえるか」です。
どれだけこだわって作っても、聞いてもらえなければ意味がありません。ボイスサンプルであなたが得るべきものは、評価じゃなくチャンスです。そこを取り違えないようにしましょう!

