演技のほとんどは「掛け合い」で構成されています。(ナレーションやモノローグは別として)
掛け合いは誰かとやりとりするわけですから、相手の芝居に影響されますし、また自分の都合だけの芝居もできなくなります。

掛け合いは緊張しちゃうんだよなあ……

「ひとりよがりな演技」って言われちゃう……
こんな人も多いはず。
ですが、掛け合い台本には「まず、これさえ意識すればOK」というコツがあります。
とてもシンプルなものですので、ぜひ参考にしてみてください。
掛け合いは「リアクション」が命

まず、台本は徹底的に相手のセリフを読み込みましょう。
意外に思うかもしれませんが、演技というものは全てがリアクションでできているということを理解してください。
全ての言葉は、発せられる前に必ず感情の波が起こります。
「なんだと!もう一度言ってみろ!」
というセリフを言うためには、「このバカ!」とか「裏切り者!」といった自分を非難するセリフが必要ですよね。
日常でも、自分は普通にしていたつもりなのに、嫌いな相手から急に「なにやってんだよバカ」と言われたらどうなるでしょう?
言葉が出る前に、まずムカッとしますよね?
その後に、「なんだと!」と言葉が出るはずです。
この『感情の起こり』→『言葉』の順番さえ理解できてしまえば、掛け合い台本はもう簡単なものになります。
台本の相手のセリフを読み込み、自分に言われていると想像しましょう。
例) ・相手:バカ! → ムカッ/心外/ショック ・相手:やあ! → 気づき/こちらも挨拶したい気持ち ・相手:ねえねえ → 興味/疑問/何の用だろ?と気になる
こういった感情の起こりを感じてからだと、自分のセリフがとても言いやすくなり、また自然な演技になります。
自分のセリフだけ読むと『ひとりよがり』に

特に声優志望者に多いのですが、多くの初心者は台本を読むうえで以下のような間違いをしています。
・自分のセリフしか読み込まない
・自分のセリフの言い方と感情しかプランニングしない
たしかに台本をもらうと「このセリフは自分のものなんだ!」と嬉しい気持ちになりますから、自分のセリフばかりに目が行ってしまうのはわかります。
ですが、それだと相手から言われた言葉に対する感情の起こりがおろそかになり、言いまわしがそれっぽいだけのセリフになりがちです。
今の時代、アニメやゲームなどに触れやすくなったのは良いことなのですが、そのぶん「このセリフはこういう感じでいうものだ」というテンプレートが出来てしまっていることは問題視されています。
「誰がやっても同じになる」「どこかで聞いた言い方」というのは制作側からすると、無名の役者でディレクションの工数を減らすというコストダウンにはなるのですが、そのぶんクオリティは下がりますよね。
感情の起こりを感じたら、それをセリフに乗せるだけ
では自分のセリフを言うときは、何を意識すればいいのでしょうか?
それは、自分の気持ちに嘘をつかないということです。
ここでいう嘘とは、
・自分を上手く見せたい
・憧れの作品のような言い方をしたい
といった、芝居の世界のこととは無関係のことです。
ざっくりいうといいかっこしないということですね。(笑)
重要なのは、
①相手のセリフによって自分の感情を動かす
②動いた感情のままにセリフを吐く
これだけです。
これだけで掛け合いはラクになります。それだけでなく芝居の流れがとても自然になりますから、観ている人からの評価も上がります。
いいかっこするには、かっこつけずに素直になる。これが真理ですね。

